I HOUSE
2004


2004年 第36回中部建築賞

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

所在地 三重県四日市市
用途 専用住宅
構造 木造
規模 地上1階
敷地面積 308.42
建築面積 128.74㎡
延べ面積 118.68㎡


この住宅は四日市市の郊外にあり、前面道路はJR四日市駅への近道で比較的交通量が多い。
クライアントの要望は、道路の騒音を防ぐこと、風通しがよく明るい家であること、セキュリティにすぐれた家であること、家族3人が仲よく生活できること等であった。

3m×3mのグリッドプラン
3人家族の生活空間としては、平屋で十分な面積が確保される。
そこでセキュリティや防音を考慮に入れ、敷地の形状に沿って外壁で囲み、閉じた領域をつくり出す。
その中に3m×3mグリッドの木造ラーメン構造を配し、グリッド内にリビング・キッチン・寝室・子供部屋・和室等の機能を入れていく。
ひとつの空間のユニットとしては四畳半の大きさなのだが、柱問の建具を開閉することにより空間は閉じたり連続したりする日本の田の字型平面のような構成にした。
また、グリッドを強調するために梁の自立性を高め、梁の上部にLVLの母屋を通して屋根を浮かせた。
屋根と上部の隙間にはガラスを入れ,室内に光が入るようにした。

3つのコート
閉じた領域の中に9つのグリッドを配するのだが、光と風を確保するために3グリッド分をコートとし、外部空間にした。
コートのある列は,内・外・内・外・内・外の関係で、コート1は主寝室と子供部屋との問に設け、外壁側には外部であるが建具を入れ、不審者のコートへの進入を防ぐ。
その結果、夏季は主寝室と子供部屋のコート側の建具を開けたままで、夜の通風を確保できるようにした。
コート2はこの家の中心にあり、植栽を施している。
子供部屋、リビング、キッチン、書斎ユニットがこのコートを取り巻き、内部・外部の空間を連続させながら生活できるようにした。
コート3はエントランスと和室、リビングにつながるコートで、この家の前庭的役割と、和室と連続する縁側空間の役割も果たす。

均質空間から
グリッドによる空間構成は、これまで何度も試みている。
アノニマスな空間の連続であること、統合に際して価値を生じさせないというところから出発するのだが、それはあくまでも均質空間をつくり出す方法である。
そこから逸脱するために、グリッドの重層・ズレ、異なった統合要素との組合せ等を実験してきた。
「I HOUSE」は、単純なグリッド構成において、一部のグリッドを外部にすることにより空間に変化を与えた。



publication
新建築住宅特集2004年10月号
日本建築学会作品選集2008
website
中部建築賞のページ